背景透過は、画像編集を仕事にしている人でなくても使えたら便利な画像編集機能の1つです。
難しい操作が必要なようにも思えますが、アプリやソフトによっては1クリックでできるものもあります。
本記事では、画像の背景透過方法について無料アプリやソフトで行う方法について解説します。
PhotoshopやWord、Canvaでの方法も詳しく解説するので参考にしてください。
背景透過ってなに?
背景透過とは、画像や写真の中にある残したい対象物(被写体)の、背景部分を透明にする作業を意味します。
これにより、以下のような作業が可能となり、デザインの幅も広がるでしょう。
- 画像や写真にある不要な部分を削除できる
- 切り抜きを行い対象物そのものを際立たせる
- 切り抜き画像でコラージュや合成ができる
ちなみに、背景透過は画像から背景にあたる部分を完全になくすものではありません。
あくまでも画像の背景にあたる部分を透明にする加工です。
Gazoulab|最簡単で初心者向けの背景透過ツール
Gazoulabは、1クリックで簡単に画像の背景を透明にできる画像編集ツールです。
オンライン上での作業が可能で、背景を透過したい画像を読み込ませるだけで簡単に透過できます。
Gazoulab AIを使った背景透過のやり方
ステップ1:
「背景透過」機能を選択
Gazoulabのサイトトップ画面にある「背景透過」もしくは「背景処理」もしくは「背景削除」をクリックして、作業画面に移ります。
ステップ2:
透過したい画像をアップロード
背景を透過したい画像を、「画像をアップロード」から開くか、ドラッグ&ドロップでアップロードします。
ステップ3:
自動で背景を透明化
画像をアップロードするだけで、背景が透明になった画像ができます。
ステップ4:
Before/Afterで仕上がりを確認
ちなみに、画像が生成できた後の画面中央にある「Before」をクリックすると、背景透過前と後の画像が切り替わります。
必要な範囲が透過できているか、消えてしまうとまずい部分が消えていないかを簡単にチェックできるでしょう。
Photoshop|最精密な背景透過ができるプロ仕様ツール
Photoshopは、プロも使う画像の合成や加工といった作業全般ができる編集ツールです。
背景透過については以下の3通りの方法があります。
- 新規作成時に背景設定を変える
- 背景を削除する
- 画像を切り抜く
背景設定を変える方法では、背景を準備してその上に画像ないし写真を重ね、不要な部分をマジック消しゴムを使って削除していく方法です。
背景を削除する方法は、1クリックで操作が完了する背景透過方法になります。
残る1つは、画像を切り抜く方法で、微調整が必要な画像にピッタリの方法と言えるでしょう。
Photoshopを使った背景透過のやり方①新規作成時に背景設定を変える
ステップ1:
新規作成でカンバスカラーを「透明」に設定
まずは、画像編集をする際にあらかじめ背景の設定を透明にして背景を透過する方法です。
新規作成をクリックした後、「カンバスカラー」で「透明」を選択してから「作成」ボタンを押します。
ステップ2:
編集画面で画像をアップロード
編集画面が開いたら「開く(O)」をクリックして、背景を透過したい画像をアップロードします。
ステップ3:
レイヤーを複製してコピーを作成
画像アップロード後、画面右下にある「レイヤー1」を右クリックし、「レイヤーを複製(D)」を選び、レイヤーをコピーしておきます。
ステップ4:
元のレイヤーを非表示にし、マジック消しゴムを選択
画面右下の「レイヤー1」の前にある目のマークのアイコンをクリックして非表示にします。
「レイヤー1のコピー」を選択した状態で、画面左側にある「消しゴムのアイコン」にカーソルを合わせて左クリックを長押ししてください。
すると、消しゴムツール3つが出てくるので、1番下にある「マジック消しゴムツール」をクリックして消しゴムが使えるモードにします。
ステップ5:
不要な背景をクリックで削除
消したい部分をクリックすれば、透過された部分がグレーと白の小さな市松模様に変わっていきます。
画像全体を見ながら、不要な部分を消していってください。
Photoshopを使った背景透過のやり方②背景を削除する
ステップ1:
クイック選択ツールで範囲を指定
背景を削除するボタンを活用して背景を透過する方法なら、1クリックで画像の背景部分が透明にできます。
新規作成から画像をアップロード後、画面右下にある「クイック操作」の「背景を削除」をクリックしましょう。
ステップ2:
残したい部分を選択して調整
Photoshopが独自で判断した背景部分が削除できます。
Photoshopを使った背景透過のやり方③画像を切り抜く
ステップ1:
クイック選択ツールで範囲を指定
画像を切り抜く方法では、画像をアップロードした後、左端にあるアイコンの「範囲選択」をクリックし、真ん中にある「クイック選択ツール」をクリックします。
ステップ2:
残したい部分を選択して調整
画像の残したい部分をクリックしていきます。
1回のクリックで残したい部分すべてが残らない場合は、「shift」を押しながら選択範囲を拡大していきましょう。
ステップ3:
選択範囲からマスクを作成
残したい対象物ないし被写体を選択範囲で綺麗に囲めたら、長方形の中に〇が入ったアイコン(選択範囲からマスクを作成)をクリックします。
ステップ4:
背景が透過した画像を確認
「選択範囲からマスクを作成」をクリックすれば、簡単に画像の背景部分がなくなります。
【総評 Photoshop使用時の画像保存方法】
Photoshopを使った背景透過方法は3通りありますが、微調整するなら①新規作成時に背景設定を変える方法がベストですが、操作が1番簡単なのは②背景を削除する方法です。
③の画像を切り抜く方法は、手順と操作性が①と②の方法の中間に位置する方法だといえるでしょう。
また、Photoshopの場合でも画像保存はすべてPNG形式で行なってください。
透過した背景をそのまま保持するために必要な操作です。
Word|最手軽にできる背景透過(簡易版)
MicrosoftOfficeに標準搭載されているWordからも、画像の背景透過ができます。
2パターンの背景透過方法があるので、画像や写真次第で使い分けると良いでしょう。
Microsoft Wordを使った背景透過のやり方①「色」で透明色を指定する
ステップ1:
画像をWordに挿入する
色で透明色を指定する場合も、まずは、画像のアップロードを行ないます。
「挿入」から「画像」を選択し、適切な方法で画像をアップロードしてください。
ステップ2:
「透明色を指定」で透明化する部分を選択
「図の形式」から「色」をクリック、ポップアップの下部にある「透明色を指定(S)」で、透明にしたい部分を選びます。
ただし、サンプルにしている女性の画像のように、背景色にたくさんの色が入った画像だと操作が1クリックで完了しません。
地道に透明にしたい部分を選択するしかありませんが、かなり時間がかかってしまいます。
ステップ1:
背景色が単一な画像に効果的
つまり、Wordを使った背景透過方法は、こちらの画像のように背景色が単一なものに有効です。
ステップ2:
単色背景なら1クリックで背景透過
画像をアップロード後、「図の形式」から「色」を選択し、ポップアップの下部にある「透明色を指定(S)」で、透明にしたい部分を選びましょう。
このような画像であれば、1クリックで画像の背景が透過できます。
ステップ3:
透過後にWord形式で保存(画像利用は追加作業が必要)
背景透過ができたあとは、「ファイル」から保存します。
この時、あくまでも画像の形式はWordでしかないため、画像として使うならPDFとして読み込んで画像編集ソフトでさらに手を加えるといった編集作業が追加で必要です。
Microsoft Wordを使った背景透過のやり方②「背景の削除」を使う
ステップ1:
画像を挿入し「背景の削除」を選択

次に、背景削除を使った背景透過方法についてみていきましょう。
背景を削除して背景透過する場合も、画像をアップロードするところから始めます。
ステップ2:
ピンクのフィルターで削除範囲を確認
画像を選択した状態(画像の周りに白い〇が出ている状態)で「図の形式」から「背景の削除」をクリックします。
ステップ3:
保持・削除範囲をマークして調整
背景の削除を選択すると、アップロードした画像にピンク色のフィルターがかかります。
このピンク色のフィルターがかかった部分が削除される部分です。
「保持する領域としてマーク」か「削除する領域としてマーク」をクリックしながら、消したいエリアを調整してください。
ステップ4:
ズームで細部を確認しながら修正
「背景の削除」では、同じ色合いや明るさの部分が連動して範囲に含まれたり含まれなかったりするので、画像のさまざまなポイントをクリックして削除範囲を指定しましょう。
- 残したい部分:「保持する領域としてマーク」をクリック
- 削除したい部分:「削除する領域としてマーク」をクリック
細かい部分の操作がしづらい場合は、画面右下にある「%」を操作して画像を拡大すると良いです。
【総評 1/2】
このように、Wordを使った背景透過方法は、背景色が単一なものであれば、色を指定する方法でも背景を削除する方法でも簡単・綺麗に背景透過ができます。
しかし、背景色が複雑な写真や画像には不向きです。
【総評 2/2】
色の指定で背景を透過する場合、左側にある画像の〇で囲んである部分のように、背景として認識される部分が複雑になりやすい写真だと、一部分しか透明にできません。
一方、背景の削除を使って透過する場合も同様です。
保持する部分と削除する部分をクリックし続けて、残したい対象物や被写体が綺麗に切り抜けるよう調整する必要があります。
PhotoRoom|最速でSNS用画像を作れる背景透過アプリ
PhotoRoomは、AI機能を備えた画像編集ツールです。
スマートフォンでの操作を想定していますが、PCブラウザでも使えます。
PhotoRoomを使った背景透過のやり方
ステップ1:
画像をアップロードするためにアカウント登録
トップ画面の「無料で始める」とクリックすると、作成画面が開けます。
この時、アカウントの連携ないし新規登録が求められるので必要情報を記入しましょう。
「写真からスタート」のところで画像を選択するかドラッグ&ドロップで画像をアップロードします。
ステップ2:
アップロード後に自動で背景透過
画像をアップロードすれば、その次に背景が透過された画像がアップロードされます。
ステップ3:
レイヤーの目のマークで背景を非表示
PhotoRoomでは、背景透過が行なわれる際、残したい対象物(被写体)と背景画像がそれぞれ別のレイヤーになります。
この画像の場合、「ホワイト カラーの背景」とある部分にある目のマークをクリックすれば簡単に白い背景が削除された画像に切り替わるでしょう。
ステップ4:
「ダウンロード」で画像を保存(高画質は有料)
画像の保存は、画面右上にある「ダウンロード」をクリックし、ページ最下部にある「続ける」を押せばできます。
画面中央の「暴露品質」と記載がある部分で画質が選べますが、高画質を選ぶには有料プランを契約しなければなりません。
Remove.bg|最効率で大量処理できる背景透過専用ツール
Remove.bgは、画像をアップロードするだけでAIが背景透過をしてくれるアプリです。
背景を透明にした画像は、そのままの画面で新たに編集できます。
Remove.bgを使った背景透過のやり方
ステップ1:
画像をアップロードして処理を開始
まずは、「画像をアップロード」にてファイルを開くか、処理したい画像をドラック&ドロップでアップロードします。
ステップ2:
自動で背景透過&簡易編集ツールの活用
画像はアップロードされた段階で自動的に背景透過されます。
この時、消えてほしくない部分を調整したりはできませんが、①の部分で写真の色みやシャープネス加工、背景の合成が可能です。
②のアイコンを押せば、背景透過する前の画像がチェックできるので、どの部分が消えているかも確認できるでしょう。
ただし、「ダウンロード」から画像を保存しようとすると料金が発生します。
10枚165円で保存できますが、お金がかかるので注意しましょう。
Canva|最オールインワンなデザイン&背景透過ツール
Canvaは、画像と動画の編集ができる編集ツールです。
一部の機能は無料で使えますが、すべてのツールを使うには有料版に登録しなければなりません。
PCはもちろん、スマホで使えるアプリもあります。
Canvaで背景透過するには画像の背景を消す背景除去を使いますが、画面の起動方法が2パターンあります。
Canvaを使った背景透過のやり方①「+ 作成」から始める
ステップ1:
アカウントにログインして「+ 作成」を選択
Canvaは、GoogleアカウントかYahoo!アカウント、Facebookアカウント、メールアドレスのいずれかでログインする必要があります。
①の「+ 作成」をクリックするか、②にある「ロゴ」「チラシ」などのアイコンのいずれかを選びます。
ステップ2:
デザインサイズを選択
①の「+ 作成」を押すと、画面のようにどのようなサイズのデザインを作るかを決める画面が出てきます。
ステップ3:
「写真エディター」から画像をアップロード
「写真エディター」から「アップロード」で画像をアップロードしましょう。
ステップ4:
「背景除去」をクリックして背景を透過
画像がアップロードできたら「背景除去」をクリックして、画像の背景透過処理が完了します。
ステップ5:
「保存」で画像をCanvaに保存
画面右上にある「保存」をクリックすると、画像はCanvaサイト内に保存されます。
ステップ6:
「ダウンロード」でデバイスに保存
背景透過後の画像を入手するなら「 ↓ 」とある(ダウンロード)をクリックしましょう。
作業しているデバイス内に画像が保存されます。
Canvaを使った背景透過のやり方②画像の枠を決めて始める
②のアイコンは、どれを選ぶかで画像の枠のサイズを決めるものです。
背景透過した画像をSNSに使いたい、動画に入れたい場合はここから始めましょう。
ステップ1:
アイコンから画像枠のサイズを選択
アイコンから画像の枠のサイズを決めて編集画面へと移ります。
ステップ2:
画像をアップロード(ドラッグ&ドロップ対応)
「アップロード」から「ファイルをアップロード」をクリックするか、Canva上に画像をドラッグ&ドロップして画像を読み込ませましょう。
ステップ3:
「背景除去」をクリックして背景透過
画像アップロード後に、画面上部にある「背景除去」をクリックすれば、画像の背景透過が簡単にできます。
ステップ4:
「共有」→「ダウンロード」で保存
背景透過した画像をダウンロードするには、「共有」ボタンから「ダウンロード」をクリックして行います。
背景透過アプリの選び方
簡単に画像の背景を透過できるか
背景透過アプリの選び方においてポイントとなるのは、操作性です。
PhotoshopやWordを使った方法の【総評】で解説した通り、透明にする部分を細かく調整しながら選ばなければならないのは不便です。
残したい対象物や被写体を除いた背景を、綺麗に認識してくれれば問題ありません。
しかし、想定外の範囲を指定されてしまうと、修正や操作・微調整などすべて自分でやる必要があります。
理想的な背景透過アプリは、画像を読み込ませるだけで透過作業ができるものといえます。
背景透過以外に何ができるか
背景透過アプリには、背景を透明にする操作以外に画像を編集できるものがあります。
画像や写真の背景を透明にしたいということは、その先に何らかの画像編集作業がある人が大半ではないでしょうか。
背景透過作業以外にも、以下のような作業ができると非常に便利です。
- 明るさやコントラストの調整
- 色味や彩度の補正
- リサイズや反転
- コラージュ機能
- 背景の差し替え
もちろん、背景透過作業を一つ目のアプリで行い、こうした画像編集作業を別のアプリで行うのも問題ありませんが手間です。
一つのアプリで大部分の画像編集作業が終えられた方が便利なので、アプリはできれば背景透過以外の作業もできるものだと望ましいでしょう。
出力形式がPNGに対応しているか
背景透過した画像や写真は、保存形式がPNGでなければなりません。
理由は、透明にした背景が保持できる保存形式がPNGであるからで、JPEGやRAWだとせっかく透明にした背景が透明のまま保存できないからです。
つまり、背景透過アプリは必ず出力形式がPNGに対応している必要があります。
無料で画像の背景を透明化できるか
背景透過アプリにはさまざまな種類がありますが、細かな操作ができるものほど有料で提供される傾向にあります。
もちろん、背景透過作業を含んだ画像編集が仕事である人にとってはこういった微調整は必須ですが、すべてのケースにおいてこの微調整が必要だとも言い切れません。
場合によっては、1クリックで簡単に背景透過作業が完了できるアプリの方が望ましい場合もあります。
また、背景を透過したい画像についてですが、背景色が複雑になればなるほど、削除する範囲を指定しなければならず微調整が求められるケースがほとんどです。
有料で細かな部分を調整するようなアプリより、無料でサクッと背景が一発で透過できるようなアプリのほうが便利でしょう。
FAQ
画像の文字をきれいに切り抜く方法?
画像にある文字一つひとつを残したい対象物(被写体)と捉えれば、背景透過アプリで簡単に画像にある文字を切り抜けます。
切り抜きの精度が高いアプリだと、削除範囲の指定作業が不要なため手間が省けるでしょう。
背景を消す以外の加工はできるのでしょうか?
Gazoulabでは、背景の透過以外にも解像度を上げたり、テキストから新たに画像を生成したりといった機能があります。
背景を消す以外にもさまざまな画像編集が可能です。
背景がうまく透過されない場合はどうする?
画像編集アプリで上手く背景透過ができない場合は、デバイスを再起動してみたり、透過設定の確認をしてみたりしてください。
また、画像の色味次第なところもあるので、必要に応じて画像を選び直すのがおすすめです。
背景を透過した画像の保存形式は?
背景透過画像は、保存形式をPNGにしておく必要があります。
これ以外のRAWやJPEGのような形式だと、せっかく透明にした背景が認識されません。
背景透過されやすい色はある?
背景透過では、背景色と同じ色味が連動して透過されやすいです。
なるべく細かな作業を要さず背景透過するなら、対象物(被写体)と背景の色が異なるものを選びましょう。
まとめ
背景透過については、画像を活用できる幅が広がるため、PhotoshopをはじめCanvaや無料の画像編集ツールでもできるやり方があります。
画像をより詳細に編集したいのであれば、背景(削除)部分が細かく指定できる画像編集ツールを使うのがおすすめですが、手間と時間がかかるのは否めません。
そこでおすすめしたいのが、1クリックで背景透過ができる画像編集ツールです。
アプリやソフトが自動で背景部分を検知してくれるため、微調整操作がいらず一度に複数の背景透過もできます。